福間家住宅 |
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八日市のほぼ中央にある福間家は、切り妻の瓦屋根の妻入り玄関で、からし色の土壁、石段、古びた腰板に格子それに木戸と、往時のままただ時の流れだけが過ぎたかのように、そこにたたずんでいる。 何よりもここの特徴は、この石段にある。水を恐れる人々の知恵から生まれた「一文上がり」と呼ばれるこの石段は、かつて蓄財ができると、少しでも宅地を盛り上げてこれを設けた。今では町内でも数カ所でしか見ることはできない。 |
絲原家住宅 |
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奥出雲のかつての鉄師頭取の民家である。 客用座敷の建物は数寄屋風で粋を凝らしているが、積雪地帯であるが故に、多少骨太な感じがする。主屋は大正13年完成とあり、大屋根は当初、クリの素木葺だったものが後年、瓦に葺きかえられた。大黒柱はケヤキの尺1寸もあるもので、玄関上に松の大木を幾重にも重ねた小屋組がみえる。隣の土蔵は、三段の水切り瓦を持つ。出雲地方には珍しいこのやり方は、四国・土佐地方のような雨が極端に降る地方によく見られる特徴であるが、特に妻側の保護に有効である。意匠的にもおもしろいものとなっている。 |
山本家住宅 |
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現在この住宅の一部は、出雲民芸館として利用されている。こういう門長屋をもつ民家の特色として門の正面から少しずれたところに主屋の大戸口があり、門の正面には小ぶりな樹木が植えられている。真正面の見えがかり部分に目的のものを配するのではなく、樹木や垣根などで視線を遮り通路を曲げる演出がなされている。 山本家は地方有数の豪農、主屋は6間で構成され、右端を玄関とする形式は比較的少ない。江戸時代に大名のお成りがあったにしては少々狭い感じであり、その折りには家内の人間は土蔵の中で起居したと言われる。主屋は明治15(1882)年に原形のまま改築されたといわれる。 |
俵家住宅 |
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平入りで格子窓の並ぶ壁が長く続き、土蔵につながっている。部材は全般的に骨太であり、格子の木組みを見ても大きめの木が使ってある。大屋根の部分は土蔵のようなつくりで軒を深く出さず、軒下まで土を塗こめている。城下町によくみられるが、2階はあっても低く押さえられる。そのため2階は天井の低い部屋しかつくれない。2階壁には、塗りごめ格子が白壁を穿ってリズミカルに並んでいる。 土蔵には正面に窓が一つ設けられている。シンプルであるが、意匠的に優れたものである。 |